一級建築士事務所アトリエラインコンセプトモデルその他のご紹介

「美容室はスペシャルな空間。一歩入る時のワクワクした気持ちを高めるような建物にしたい。」
柱の外側にガラスを繋げることによって、重量感を軽減するとともに、印象を左右する建物のコーナーを軽やかに仕上げています。大きくはりだした直線的な屋根と床をガラス窓が繋ぐという浮遊感、全体的に高さを抑えることで強調される水平方向のライン、極力露出を抑えたサッシ等の細かい工夫により地面に張り付くような外観が、遠方からでも目を引くシャープさを作り出しています。エントランスに備えた水盤や大きくとった窓から見える照明も、美容室という空間への期待感を演出しています。

クライアントのご希望は「楽しそうで、思わず入ってみたくなる建物。」
美容室という空間は、訪れた人が自分自身への贈り物（ギフト）をする場所でもあります。この”ギフト”をテーマにした外観は、可能な限りの軽さ、空気感を表現すると共に、箱にリボンをかけたギフトボックスのイメージを形にしています。
ギフトを表現するもうひとつの要素は光。昼間は外の光が店内に降り注ぎ、夜はお店の中からあふれ出る光が特徴的な外観を際立たせています。室内においては、中央に地植えされたシンボルツリー（シマトネリコ）が、日中は天井のトップライトから降りそそぐ太陽の光を受け優しいシルエットを投げかけ、夜間はライトアップされて壁面に美しい模様を描き出します。
また、コーナーと一定のリズムで配された窓からは、このシンボルツリーだけではなくリラクゼーションルームの優雅なライトや、スタッフとお客様の笑顔が見え、フレンドリーで明るい美容室の雰囲気が伝わる建物を実現しています。

クライアントのご希望は、「貸事務所、賃貸住宅2タイプ、クライアントの住宅といった用途の異なる4種の平面計画を要する。北側が道路に面しているため、意匠的に演出の難しい廊下及び水廻りをファサード（建築物の正面）にしながら、収益性の高い魅力ある意匠にする。」です。
地味になりがちな廊下部分をあえて壁を大きく取った平面的でストイックなデザインに仕上げ、大きさ及び形を変え、できるだけランダムな印象で細かく散らした窓と、片側に張り出した最上階の住宅部分のデザインによりダイナミックでインパクトのある外観を作りだしています。南面は柱の通りを雁行（斜めに並べること）させたことにより、更に3種類平面計画を増やし全体で7種類の異なる間取りを計画した結果、変形した土地を有効に活用することに成功しています。

クライアントのご希望は、「サトウキビ畑越しに海を臨むロケーションを楽しみたい。」です。
平屋ながら基礎を高くとることで視界を広げることに成功しています。室内においては、リビングダイニングキッチン、子供部屋を開口の大きな扉で繋ぐことで、生活の中で家族同士の存在を自然に感じられる開放感のある空間としました。壁の役目もはたしている引き戸をはずすことで、将来の家族構成の変化に柔軟に対応することも可能です。子供部屋との境界に設置した部屋幅いっぱいの大階段は、単調になりがちな平屋の空間に視覚的な広がりを持たせ、広々としたリビングのアクセントとなると共に、子供達にとっての格好の遊び場にもなっています。子供だけではなく、宮古島のロケーションを楽しむことのできるガラス貼りのバスルームや、屋上に設置されたバスタブと給湯設備、くつろぎの小スペースなどによって大人も楽しむことのできる癒しの自由空間を実現しました。

岩盤に覆われたダイナミックな地形の上に描かれた１本のライン。余裕のある敷地を生かして幅をいっぱいにとった建物は、日中は白いラインとなって芝生の緑と空の青の間に爽やかに描かれ、夜は光のラインとなって満天の星空と呼応します。入口階段には背景に敢えて鮮やかなオレンジ色を配した花ブロックをレイアウト。芝生の緑との対比が美しい日中も、光が形作るパターンが個性的な夜も、シンプルな建物のアクセントとしての役割を担っています。内部は生活空間と寝室の間を自然に区切る光庭が、動線にメリハリを付けるとともに、ダイナミックな沖縄の自然と静謐な屋内とをやわらかくつなぐ空間として、大人も子供も自然に集まるくつろぎのスペースとなっています。

クライアントのご希望は、「機能性を優先されていた従来のアパートという概念をとりはらいたい。」です。
apartment/Nは、1LDK、2LDK各４世帯ずつの集合住宅です。タイプの異なる部屋を階段を挟んで左右に分けることで生活音が響きにくく、更にフロアレベルを半階ずつずらした構造（スキップフロア）にすることで、集合住宅でありながら、他者と顔を合わせることの少ない、プライバシーに配慮した空間作りを実現しています。また、スキップフロアで生まれた半地下空間には、各部屋専用のトランクルームを設置、集合住宅にありがちな収納の問題を払拭しています。目の前に広がるサトウキビ畑の向こうに海を臨む絶好のロケーションを、部屋の3方を囲む奥行きのあるバルコニーで十二分に楽しむことができます。室内は、全ての部屋同士が繋がり合い、またバルコニーとバスルームも繋げることで、回遊性のある動線を確保し、楽しく暮らせる間取りを実現しています。意匠的には、内部もコンクリート打ちっぱなしとしてコストの低減を図ると共に、むき出しのダクトや、オリジナルのキッチン、タイル仕上げの床などにより、スタイリッシュな演出を施しています。

T字型に配置された間取りは、いつでもお互いの存在を感じあいながら自然に中央に人の集まる空間を創り出しています。T字型の中央部分には一部ロフトとして使用可能な吹き抜けを設け、充分な採光を得るとともにリビングダイニングを立体的に思い思いに過ごすことのできるフリースペースとして演出しています。外観は、この吹き抜け部分とクロス型の壁、庇(ひさし)のラインが複雑に折り重なり、それらの動きを個性的且つシャープなデザインの花ブロックでまとめています。